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名誉毀損・名誉感情侵害で訴えられたら

近年のネット誹謗中傷問題への意識の高まりから、名誉毀損を理由とした発信者情報開示請求・慰謝料請求は増加の一途をたどっています。

相手からネット投稿に関して請求を受けたら、まずは弁護士にご相談ください。
弁護士は、裁判での勝算や慰謝料相場、ニーズをもとに適切な対応を検討できます。

ここでは、ご自身の投稿が名誉毀損・名誉感情侵害だとして訴えられたときの対処法について説明します。

1.名誉毀損・名誉感情侵害とは

最高裁は昭和31年7月20日の判決の中で、「名誉を毀損するとは、 人の社会的評価を傷つけること」と説明しています。
名誉とは社会的評価、要するに他人からの評判なのです。

悪口を書き込んでしまったとしても、その相手への他人からの評価が下がるとはいえないならば、そもそも名誉毀損には当たらないのです。

なお、名誉毀損にならなくても、個人的な自尊心侵害である「名誉感情侵害」になる可能性はあります。

名誉感情とは個人的なプライドを指します。「侮辱」と聞けば一般的な意味合いもわかるのではないでしょうか。
本当のことへの適切な発言でも、「人格的に非難し、侮辱する発言」は名誉感情侵害となりうるため、損害賠償請求をされる可能性があります。

[参考記事] 名誉毀損と名誉感情侵害の違い

(1) 名誉毀損が認められるケース

一般でも名誉毀損という言葉は広く用いられていますが、損害賠償請求などができるかについてはまた別です。
名誉毀損だと訴えられたとしても、裁判所がそう認めるとは限りません。

例えば、書き込んだ内容が世間からの評判を傷つけるものだったとしても、「誰の」ことかがわからなければ、実際に相手の社会的評価は低下しないでしょう。

書き込みを読んだ人が、「投稿で評判を傷つけられている人間と実際の相手は同一人物だ」とわかってはじめて、相手の名誉が傷つけられます。
これを「同定可能性」と言います。

社会的評価の低下同定可能性が、インターネットへの書き込みが名誉毀損となるかの判断ポイントとなります。

また、価値ある批判は他人の名誉を傷つけるものです。
店舗のレビューも政治社会問題の議論も、名誉毀損だからといって違法になると言論の自由を保障できなくなってしまうでしょう。

そこで名誉毀損にあたる文章でも、「公共の利害に関して」「専ら公益を図る目的で」「指摘した事実の重要な部分が真実」といった条件全てを満たせば、適法な言論として損害賠償請求などはされなくなります。

名誉棄損で訴えられたとき、この「違法性阻却事由」と呼ばれる条件を主張立証できるかが大きなポイントとなるのです。

[参考記事] 名誉毀損の違法性阻却事由とは?

(2) 名誉感情侵害が認められるケース

名誉感情侵害で損害賠償請求できるケースはさほど多くありません。
最高裁判所は、平成22年4月13日の判決の中で「社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められる場合」には名誉感情侵害が認められるとしています。

要するに「あまりにひどいケース」は違法ということですが、これでもまだ基準としてはあいまいです。

現在、各地の裁判所で具体化の試みが行われています。
たとえば、横浜地方裁判所川崎支部の平成29年4月27日判決が具体的な判断ポイントとして以下を挙げています。

  • 特定の者(被害者)に対する問題とされる言動の内容
  • 前後の文脈
  • 当該言動の態様(手段・方法)及び状況、特に当該言動がされた時期・場所
  • 公然性の有無
  • 当該言動の程度、特にその頻度・回数
  • 当該言動に至る経緯とその後の状況、特に当該言動の前後にされた被害者による加害者に対する言動の状況
  • 当該言動に係る当事者の関係、年齢、職業、社会的地位等
  • 当該言動の動機、目的、意図等

書き込んだ内容はもちろんなのですが、それ以外の多くの事情を総合考慮することになります。

[参考記事] 名誉感情侵害とネット誹謗中傷

2.名誉毀損・名誉感情侵害で訴えられたらどうなる?

投稿が名誉棄損・名誉感情侵害に当たるとして相手が法的請求をしてきたら、どのようなことになるのでしょうか。

これはご存知かと思いますが、匿名で投稿していたとしても、通信会社などからあなたの住所氏名を特定できる制度が作られています。
発信者情報を特定され、裁判で負ければ、慰謝料だけでなく特定に掛かった費用も請求されるおそれがあります。

また、もし警察が動けば、家宅捜索・罰金刑など、さらなる社会的経済的不利益を受けることになるかもしれません。

それぞれのリスクについて解説します。

(1) 投稿者の特定

実名で書き込んでいなくても、通信会社はインターネット回線契約を通じてあなたの住所氏名を把握することができます。
そして、被害者は発信者情報開示請求によって、通信会社からどの書き込みをどこの誰が投稿したか引き出すことができるのです。

[参考記事] ネットで誹謗中傷した犯人(投稿者)を特定できる?

投稿者に対して、開示請求を受けた通信会社は、「開示してよいか」意見照会回答書で尋ねられます。
できればこの時点で作成を弁護士に依頼しましょう。

(2) 慰謝料などの請求

意見照会回答書で開示拒否の意見を送付しても、裁判所の開示命令により通信会社が個人情報を開示してしまうことがあります。
とはいえ、いきなり裁判になるとは限りません。まずは内容証明郵便などで任意で慰謝料などを支払うよう請求してくることもあります(示談交渉)。

名誉毀損の損害賠償金は、主に慰謝料です。
裁判所の相場は10万円~100万円となっていますが、示談交渉で裁判にせずに解決を図ろうとするとき、場合によっては慰謝料の積み増しを飲まなければならず、数百万円もの金額になるおそれがあります。

一方、名誉感情侵害は主観的な感情の問題ですから、どうしても客観的・社会的な評価の問題である名誉毀損よりも慰謝料額は抑えられてしまい、その相場は数万円から10万円程度と少額が基本です。

また、慰謝料とは別に、調査費用の損害賠償を命じられることもあります。
調査費用とは、発信者情報開示請求のために相手が弁護士に支払った報酬で、その全額を請求されるおそれがあります。

[参考記事] ネット誹謗中傷で投稿者に請求できる損害賠償金の種類

交渉決裂後、あるいは交渉をしないで裁判所に訴えられたのならば、裁判において「名誉毀損や名誉感情侵害に当たらない」と反論していくことになります。

(3) 刑事告訴

刑法第230条第1項は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」としています。

また、刑法第231条には「侮辱罪」という犯罪がありますが、これは刑法230条の名誉毀損罪や民法上の名誉毀損と同じく、社会的評価を守るものです。

[参考記事] 名誉毀損罪と侮辱罪の違い

名誉棄損罪にせよ侮辱罪にせよ、相手の刑事告訴がなければ警察の捜査も始まりません(親告罪)。すなわち、警察が動くかは相手が刑事告訴するかにかかっています。
周囲にトラブルを秘密にしたいのであれば、告訴しないことを条件に示談することを目指し交渉しましょう。

もちろん、刑事告訴されても最終的には不起訴処分になる希望もありますが、罰金刑を科され慰謝料など民事賠償金と合わせ二重の負担になってしまいかねません。

3.名誉毀損・名誉感情侵害対応の正しい対応は弁護士へ

意見照会回答書や訴状が送付されてきたときは、出来る限り早くに弁護士に相談することが大切です。

発信者情報開示請求段階で意見照会回答書を通じて反論すれば、住所や氏名が開示される可能性を抑えられるでしょう。
相手から示談を求められたとき、弁護士が代わって交渉することで裁判や刑事告訴を回避するよう働きかけることもできます。

違法性阻却事由などの法律判断は専門知識がないと難しいものです。

また、損害賠償を命じられてしまう可能性が高いケースでも。相手の要求金額が高すぎるなら、交渉にせよ裁判にせよ金額を争うことも視野に入れることができるでしょう。

示談交渉がまとまらなければ刑事告訴・起訴リスクも高くなります。
金銭的負担増を受け入れてでも和解することも選択肢とする必要があります。

もし名誉毀損・名誉感情侵害で訴えられてしまったら、生じうる経済的・社会的実害を最小限に食い止めるためにも、お早めに弁護士までご相談ください。

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