用語集

あ行

アイデンティティ権(あいでんてぃてぃけん)

アイデンティティ権とは「他者との関係において人格的同一性を保持する利益」のことです。簡単にいうと「他人になりすまされない権利」です。
第三者によって自分になりすまされ、なりすまされた者が平穏な日常生活や社会生活を送ることが困難となるほどに精神的苦痛を受けたような場合に、アイデンティティ権の侵害となるとされています。

IPアドレス(あいぴーあどれす)

スマホやPCなどのコンピュータや通信機器に付与されるインターネット上のアドレスのこと。送信元や送信先を識別するための番号です。

IPアドレス開示請求(あいぴーあどれすかいじせいきゅう)

スマホやPCなどの通信機器に付与されたIPアドレスを開示するように、サーバー業者やサイト管理者に請求する手続のことです。
IPアドレスを特定すると、ネット誹謗中傷等の行為を行った投稿者が利用したアクセスプロバイダが判明しますので、そのプロバイダに対して「発信者情報開示請求」を行うことにより投稿者を特定できます。

アクセスプロバイダ(あくせすぷろばいだ)

ユーザーにインターネット接続サービスを提供する業者のことです。
単に「プロバイダ」、または「インターネットサービスプロバイダ:Internet Service Provider(ISP)」とも呼ばれます。

意見照会回答書(いけんしょうかいかいとうしょ)

意見照会回答書とは「削除請求」、「発信者情報開示請求」に関連する書類です。
ネット誹謗中傷等の権利侵害を受けた被害者がプロバイダ等に対して削除請求や発信者情報開示請求を行うと、プロバイダから投稿者に、「削除請求や発信者情報開示に応じても良いかどうか」について意見を確認するための書面(意見照会書)が送られます。そこに同封されているのが「意見照会回答書」で、同意するかしないかを表明するための書類です。
本人による承諾が得られれば、プロバイダは削除をしたり、発信者情報を開示しても責任を問われません。本人による承諾が得られない場合にも、プロバイダは自己の判断で削除したり、発信者情報を開示することがあります。

一般社団法人テレコムサービス協会(いっぱんしゃだんほうじんてれこむさーびすきょうかい)

インターネットサービスプロバイダやケーブルテレビ事業者、回線事業者、コンテンツ事業者など、情報関連の幅広い事業者が集まった業界団体のことです。
ネット社会の健全な発展を図り、その業界の発展に寄与し、国民利益の増進と公共の福祉に資することを目指しています。

違法性阻却事由(いほうせいそきゃくじゆう)

法律上、本来は違法とされる行為について、その違法性を否定する事由のことです。
ネット名誉毀損において、名誉毀損の要件を満たしていても、公共の利害に関する事実で、専ら公益を図る目的で、摘示事実の重要部分が真実であるなどの場合には、違法性が阻却され、名誉毀損が成立しません。

威力業務妨害罪(いりょくぎょうむぼうがいざい)

威力業務妨害罪とは、「威力を用いて、他人の業務を妨害すること」に対する罪です。「威力」とは、「人の意思を制圧するに足りる勢力」(強い威勢)のことを意味します。
たとえば、SNSや口コミサイトなどで、殺人や爆破などの予告をしてイベントを中止させると、威力業務妨害罪に当たります。また、飲食店のアルバイト店員が店舗で全裸になった写真をSNSにアップするなどの行為も該当します。

インターネット犯罪(いんたーねっとはんざい)

インターネットを利用して行う各種の犯罪のことをいい、「ネット犯罪」とも呼ばれます。
ホームページや掲示板等を利用して覚醒剤や銃器を販売したり、個人・法人に対して誹謗中傷し、名誉毀損や威力妨害を行うこと、また、著作権侵害となる写真・動画をSNS等にアップすることなどが該当します。

MVNO(えむぶいえぬおー)

MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、日本語では「仮想移動体通信事業者」と呼ばれ、他社の無線通信設備を借用して、自社ブランドで格安スマホや格安SIMなどの移動体通信サービスを行う事業者のことです。
日本のMVNOは、NTTやKDDI、ソフトバンクといった第一種通信事業を行う携帯電話会社から、通信設備を借用して事業を行っています。

営業妨害(えいぎょうぼうがい)

営業妨害とは、事業者が行っている営業行為を妨害する行為全般のことです。
たとえば、嘘の情報を流して店に客が来ないように仕向けたり、爆破予告をしてイベントを中止させたりすると営業妨害になります。
SNSや口コミサイト等に虚偽の情報を書き込んで店舗に対する悪評を広めることも営業妨害となります。

炎上(えんじょう)

インターネット上で使用される俗語の一つで、SNSや掲示板等に掲載した文章に対して、批判的なコメントや誹謗中傷を含む投稿が殺到することをいいます。

か行

海外登記(かいがいとうき)

Google、Twitter、5ちゃんねる、2ちゃんねる等、海外のサイト運営者に対して発信者情報開示請求等をするには、サイト管理者(法人)の登記が必要となります。これらの登記は海外のそれぞれのサイトで有料で購入します。

開示関係役務提供者(かいじかんけいやくむていきょうしゃ)

開示関係役務提供者とは、発信者情報開示請求が行われた際に情報を開示すべき人や事業者を指します。具体的には、プロバイダやサーバー管理者、サイト管理者などが該当します。営利性は求められていないため、通信事業者以外の企業や地方自治体、教育機関、個人なども当てはまります。

拡散(かくさん)

インターネット上である情報が広がること、または、広げることをいいます。
ある情報を広げたい人が、「拡散希望」としてSNSや口コミサイト等で情報を書き込み、それを見た人が次々と連鎖的に書き込みを行い、不特定多数の人に一気に情報が広まることがあります。この場合、情報の出処や信憑性の検証が行われず虚偽の情報が広まるおそれもあります。

偽計業務妨害罪(ぎけいぎょうむぼうがいざい)

偽計業務妨害罪とは、「虚偽の風説を流布し、または、偽計を用いて他人の業務を妨害すること」に対する罪です。「偽計を用いる」とは、単純に「嘘をつく」「虚偽の情報を流す」といった行為が該当しますが、その他にも、勘違いや無知を利用することも偽計にあたるとされています。
SNSや口コミサイトなどで、虚偽の書き込みをして店舗に客が来ないように仕向けたり、事件や事故に便乗したデマを流したりすると、偽計業務妨害罪に当たります。

逆引き(ぎゃくびき)

IPアドレスからホスト名、またはドメイン名を取得することをいいます。ホスト名またはドメイン名を取得すると、プロバイダを特定できます。

脅迫罪(きょうはくざい)

相手方またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対し、害を加える旨を告知して人を脅迫する罪のことです。
ネット上の掲示板やSNSなどで、特定の人に対して殺害予告や爆破予告などをした場合は、脅迫罪となります。

業務妨害罪(ぎょうむぼうがいざい)

業務妨害罪とは、「嘘や脅しなどによって人の業務を妨害すること」に対する罪です。
業務妨害の手段により「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」の2種類があります。
「偽計業務妨害罪」は、虚偽の情報を流したり、勘違いや無知に乗じて他人の業務を妨害した場合に成立します。
「威力業務妨害罪」は、暴力や脅迫などの威力(人の意思を制圧するに足りる勢力)を用いて、他人の業務を妨害した場合に成立します。

警視庁サイバー犯罪対策課(けいしちょうさいばーはんざいたいさくか)

サイバー犯罪を取り締まるために東京都の警視庁安全部に特別に設置されている組織です。

経由プロバイダ(けいゆぷろばいだ)

ユーザーにインターネット接続サービスを提供する業者のことです。
単に「プロバイダ」、または「インターネットサービスプロバイダ:Internet Service Provider(ISP)」とも呼ばれます。

源氏名(げんじな)

源氏名とは、ホストやホステス、キャバクラ嬢などがお店で働く際に使う名前です。個人情報を守るために、本名とは別の名前を利用します。

権利侵害(けんりしんがい)

権利侵害とは、人が持っている様々な権利を他の人が侵すことです。インターネット上では、他人への中傷や侮蔑、差別的な書き込み、特定の個人のプライバシーに関する情報の無断掲示、著作権者に許可を得ていない画像・文章のアップロードなどの権利侵害があります。

言論の自由(げんろんのじゆう)

言論の自由とは、表現の自由の一つで、個人が言論によって思想や意見を発表する自由のことです。
「言論の自由」と「誹謗中傷」の境界線がしばしば問題になることがあります。

個人情報(こじんじょうほう)

個人情報とは、氏名・生年月日など特定の個人を識別できる情報のことです。

個人情報保護法(こじんじょうほうほごほう)

正式名を「個人情報の保護に関する法律」といい、個人情報を扱う事業者が守るべき規則を定めた法律です。

コンテンツプロバイダ(こんてんつぷろばいだ)

Webサイトなどのデジタル化された情報(コンテンツ)を提供する業者のことです。
インターネット接続を提供する「Internet Service Provider (ISP)」に対して、「Contents Service Provider (CSP)」とも呼ばれます。

さ行

サーバ(さーば)

サーバとは、コンピュータネットワークに接続され、他のコンピュータに対して、サービスや情報などを提供するコンピュータ、または、ソフトウェアのことです。

サイト管理会社(さいとかんりがいしゃ)

WEBサイトを管理している事業者のことです。

サイバー暴力(さいばーぼうりょく)

サイバー暴力とは、インターネット上の掲示板やブログなどで行われる特定の個人や企業団体などへの誹謗中傷、名誉毀損のことを指します。

削除仮処分(さくじょかりしょぶん)

削除仮処分とは、誹謗中傷に当たる投稿内容の削除をサイト管理者等に依頼しても削除してもらえない場合に、裁判所に申し立てて、裁判所からサイト管理者等に仮の削除命令を出してもらえる手続です。

削除請求権(さくじょせいきゅうけん)

削除請求権とは、インターネット上で誹謗中傷や営業妨害に当たる投稿をされた場合、サイト管理者等に対してその投稿内容を削除するよう求める権利です。

サジェスト(さじぇすと)

サジェストとは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンでキーワードを入力したとき、関連性の高いものが予測されて自動的に表示されるワードのことです。
たとえば「○○会社」と入力したときに、すぐ横に「評判」などと表示されますが、これがサジェストです。

実名報道(じつめいほうどう)

実名報道とは、新聞やテレビなどのメディアがニュースを報道する際に、関係者の実名を明らかにして報道することです。

氏名権(しめいけん)

氏名権とは、自分の名前を他人に使用させず、排他的に利用する権利のことです。日本の民法では、氏名権の規定はありませんが、外国の法律に倣って、人格権の一種として認められています。

肖像権侵害(しょうぞうけんしんがい)

自分の顔や姿態をみだりに撮影や公表などされたりしない権利のことを「肖像権」といいますが、それを侵害されることを「肖像権侵害」といいます。
ネット上では、撮影した写真を投稿する際に、肖像権侵害の問題がよく発生します。街中で写真を撮影したときに他人が写り込んでしまったり、友人や家族が一緒に撮った写真を本人に断りなく勝手にアップしてしまったりするとき問題となります。

商標権(しょうひょうけん)

商標とは、事業者が自己の商品やサービスを他人のものと区別するために利用するマーク(識別表示)のことで、名称やロゴ、マークなどが該当します。これらの商標を独占的に使用する権利のことを「商標権」といいます。

人格権(じんかくけん)

人格権とは個人の人格的利益を保護するための権利のことです。人格権は、人が人である故に当然持っている権利であり、名誉権、肖像権、生命を守る権利などがあります。

人権侵害(じんけんしんがい)

人権侵害とは、人が当然に持っている人権を侵害することです。
インターネット上では、他人への中傷や侮蔑、差別的な書き込みなどの人権侵害があります。

親告罪(しんこくざい)

親告罪とは、被害者等の告訴権者からの告訴がなければ、加害者に対する公訴を提起することができない犯罪のことです。
ネット関連では、名誉毀損罪、侮辱罪などがあります。

信用毀損罪(しんようきそんざい)

信用毀損罪とは、虚偽の事実を広めたり人をだまりしたりして、他人の経済的な信用を失わせた(毀損)ときに成立する罪です。

ストーカー規制法(すとーかーきせいほう)

正式名は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」で、「つきまとい等」や「ストーカー行為」を規制する法律です。同一の者に対して「つきまとい等」を繰り返すことを「ストーカー行為」といいます。

青少年インターネット環境整備法(せいしょうねんいんたーねっとかんきょうせいびほう)

正式名を「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」といい、18歳未満の青少年が安全にインターネットを利用できるように、保護者や事業者に各種の義務を課す法律です。

正引き(せいひき)

ホスト名、またはドメイン名からIPアドレスを取得することをいいます。

接続先IPアドレス(せつぞくさきあいぴーあどれす)

インターネット上での送信先のIPアドレスです。
「受信元IPアドレス」「デスティネーションIPアドレス」と呼ばれることもあります。

接続元IPアドレス(せつぞくもとあいぴーあどれす)

インターネット上での送信元のIPアドレスです。「ソースIPアドレス」を呼ばれることもあります。

送信防止措置依頼書(そうしんぼうしそちいらいしょ)

送信防止措置依頼書とは、インターネット上で誹謗中傷や営業妨害に当たる投稿をされた場合、サイト管理者に対してその投稿内容を削除するよう要求するための書類です。
ネット上の投稿内容削除を求めることを「送信防止措置」といい、それを依頼する書類が「送信防止措置依頼書」です。

ソーシャルリスク(そーしゃるりすく)

ソーシャルリスクとは、インターネット上のSNS、掲示板などのソーシャルメディアを利用することで発生しうるリスクのことをいいます。炎上するリスク、情報漏えいするリスクなどがあります。

た行

タイムスタンプ(たいむすたんぷ)

タイムスタンプとは、その時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術のことです。

知的財産権(ちてきざいさんけん)

知的財産権とは、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などの価値に認められる財産的な権利です。
特許庁への出願・登録が必要なものとして、特許権、実用新案権、意匠権、商標権があります。特許庁への登録がなくても認められるものとして、著作権、営業秘密、商号などがあります。

著作権(ちょさくけん)

著作権とは、思想または感情を創作的に表現したもの(著作物)を独占的に利用する権利のことで、著作者に与えられます。
著作物には、小説、論文、音楽、舞踊、演劇、絵画、地図、写真、映画、プログラムなどがあります。

著作者人格権(ちょさくしゃじんかくけん)

著作権は、「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の2つに分けられます。
著作者人格権とは、著作物をとおして表現された著作者の人格を守るための権利です。
一方、著作権(財産権)とは、著作物を利用して利益を得ることができる権利です。

データベース提供罪(でーたべーすていきょうざい)

データベース提供罪とは、個人情報を取り扱う事業者、またはその従業員(元従業員を含む)が、不正な利益を得る目的で、その個人情報データベース等を持ち出して第三者へ提供したり盗用したりしたときに成立する罪です。

デジタルタトゥー(でじたるたとぅー)

インターネット上に投稿された内容は、一度拡散されてしまうと、完全に削除するのはほぼ不可能であるため、「入れ墨(タトゥー)を完全に消すことが不可能」なことに喩えて、「デジタルタトゥー」と呼ばれています。

デジタルミレニアム著作権法(でじたるみれにあむちょさくけんほう)

デジタルミレニアム著作権法(DMCA)とは、デジタル情報の著作権の保護の強化のために、2000年10月にアメリカ合衆国で施行された法律です。DMCAの施行に伴い、インターネット上で著作権侵害をされた被害者が、サイト管理者に対して削除要請をしやすくなりました。

テレサ協(てれさきょう)

一般社団法人テレコムサービス協会のことです。
インターネットサービスプロバイダやケーブルテレビ事業者、回線事業者、コンテンツ事業者など、情報関連の幅広い事業者が集まった業界団体のことです。
ネット社会の健全な発展を図り、その業界の発展に寄与し、国民利益の増進と公共の福祉に資することを目指しています。

同定可能性(どうていかのうせい)

同定可能性とは、「インターネット上の登場人物(または法人)」と「現実の人物(または法人)」が同一であるといえる可能性のことです。誹謗中傷の内容が書き込まれたとしても、対象者を特定できないと、名誉毀損罪等が成立しません。
たとえば、ネット上に「青山商事のAは窃盗を犯した」と虚偽の事実を書き込まれたとしても、「青山商事のA」だけでは人物を特定できません。しかし、「横浜市中区にある青山商事の田中太郎は窃盗を犯した」と書かれていれば、人物を特定できる可能性があり、名誉毀損罪等も成立しえます。
また、個人名でなくハンドルネームや源氏名であっても、その人と同一であると十分判断できる場合には、同定可能性が成立することもあります。

匿名掲示板(とくめいけいじばん)

匿名掲示板とは、ユーザーが本名ではなくハンドルネームやニックネームを利用して投稿するインターネット上の掲示板のことです。

ドメイン名(どめいんめい)

インターネット上の住所のことで、人が見てもわかりやすいように、アルファベットで記載されています。
「ドメインネーム」とも呼ばれます。

な行

なりすまし(なりすまし)

なりすましとは、他人の名をかたり、自分以外の他人のふりをすることや、他人のふりをして人を欺くことです。

ネガティブ・キャンペーン(ねがてぃぶきゃんぺーん)

ネガティブ・キャンペーンとは、誹謗中傷を行って、選挙のライバル候補の評判を落としたり、他社の商品の評価を貶めたうえで、自分が優位な立場に立とうとすることです。

ネットいじめ(ねっといじめ)

ネットいじめとは、インターネット上で行われる嫌がらせやいじめのことです。掲示板などのWEBサイトや、SNS、メール等でネットいじめが行われます。

ネットストーカー(ねっとすとーかー)

ネットストーカーとは、インターネット上で、つきまといやストーカー行為をすることです。「サイバーストーカー」とも呼ばれます。

は行

発信者情報開示仮処分(はっしんしゃじょうほうかいじかりしょぶん)

発信者情報開示仮処分とは、誹謗中傷等を行った投稿者のIPアドレス等の発信者情報開示をサイト管理者に依頼しても開示してもらえない場合に、裁判所に申し立てて、裁判所からサイト管理者に仮の発信者情報開示命令を出してもらえる手続です。仮処分のため、訴訟手続に比べて簡略化した手続となります。

発信者情報開示請求権(はっしんしゃじょうほうかいじせいきゅうけん)

発信者情報開示請求権とは、インターネット上で誹謗中傷や営業妨害に当たる投稿をされた場合、サイト管理者に対してその投稿を行った投稿者のIPアドレス等の発信者情報を開示するよう求める権利です。

ハンドルネーム(はんどるねーむ)

ハンドルネームとは、インターネット上で活動するときに、本名の代わりに利用される名称です。

非訟手続(ひしょうてつづき)

非訟手続は、訴訟手続に比べて簡易な手続であり、裁判所の裁量権行使の範囲が広い手続です。
インターネット上の誹謗中傷などによる権利侵害について、より円滑に被害者救済を図るため、プロバイダ責任制限法が改正され、発信者情報開示について非訟手続が創設されました。

非弁行為(ひべんこうい)

非弁行為とは、弁護士ではない者が報酬を受け取って業として法律業務を行うことです。弁護士ではない者が報酬を受け取って法律相談をしたり、他人を代理して示談交渉などを行ったりすると、非弁行為となり刑事罰も適用されます。

誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)

誹謗中傷とは、他人をけなし、根拠のないことを言い広めて他人を傷つける行為のことです。

被保全権利(ひほぜんけんり)

被保全権利とは、裁判所からの仮処分命令などによって保全される(保護され守られる)べき権利のことです。

whois検索(ふーいずけんさく)

whois検索とは、ドメイン名の登録情報を検索できるサービスです。そのドメイン名のレジストラ名、登録日と有効期限、登録者名、技術担当者名などがわかります。

風評被害(ふうひょうひがい)

風評被害とは、根拠のない噂や事実でない情報が広がり、それによってもたらされる社会的・経済的な被害のことです。
特にインターネット上の情報は、根拠のない情報であっても広まりやすく、個人・企業が風評被害を受けるケースが多く発生しています。

侮辱罪(ぶじょくざい)

侮辱罪とは、事実を摘示することなく,公然と他人を侮辱する罪のことです。「事実を摘示」とは、具体的な事実に言及していることをいいます。よって、侮辱罪では、具体的な事実には言及せずに他人を侮辱している状態です。
たとえば、ブログやSNS等で「〇〇はゴミみたいな奴だ」と書き込むと侮辱罪となる可能性があります。

不正アクセス禁止法(ふせいあくせすきんしほう)

正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」です。アクセス権限のないコンピューターネットワークに侵入したり、不正にID・パスワードを取得したりすることなどを禁止する法律です。

不正競争防止法(ふせいきょうそうぼうしほう)

不正競争防止法とは、公正な競争や市場を確保するために、事業者間の不正な行為を禁止する法律です。

不法行為(ふほうこうい)

不法行為とは、ある人が他人の権利または利益を違法に侵害する行為です。不法行為を受けた被害者は加害者に損害賠償を請求することができます。

プライバシー権(ぷらいばしーけん)

プライバシー権とは、私生活上の情報をみだりに公開されない権利です。

プロバイダ責任制限法(ぷろばいだせきにんせいげんほう)

プロバイダ責任制限法とは、ネット上で権利侵害が発生した際における、プロバイダ・サイト管理者等の責任を制限する内容と、被害者が発信者情報開示や投稿内容の削除を請求する権利を定めた法律です。
正式名は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」といいます。

弁護士会照会(べんごしかいしょうかい)

弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し事実を調査するために、第三者に質問したり文書の送付を求めたりできる手続です。「23条照会」とも呼ばれます。個々の弁護士ではなく、弁護士会がその必要性と相当性について審査を行った上で照会を行います。弁護士会照会を受けた場合は、基本的には回答する義務があります。

報道被害(ほうどうひがい)

報道被害とは、マスメディアが事件や出来事を報道するとき、誤報や事実と確認されていない事を決めつけた報道をしたり、特定の内容を誇張して偏った報道をしたりすることで、報道された人の生活や名誉などを破壊してしまうことをいいます。

ま行

名誉感情(めいよかんじょう)

名誉感情とは、本人が自分自身に感じている主観的価値や自尊心です。

名誉毀損(めいよきそん)

名誉毀損とは、公然と事実を摘示して他人を傷つける罪のことです。「事実を摘示」とは、具体的な事実に言及していることをいいます。真偽は問われません。
たとえば、ブログやSNS等で「〇〇はAさんと不倫している」と書き込むと名誉毀損となる可能性があります。

名誉権(めいよけん)

名誉権とは、人格権の一つで、むやみに名誉を侵害されない権利です。

モラルハラスメント(もらるはらすめんと)

モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度などによって人格や尊厳を傷つけたり、精神的な暴力や嫌がらせをしたりすることです。

や行

ら行

リベンジポルノ防止法(りべんじぽるのぼうしほう)

リベンジポルノ防止法とは、もともと婚姻・交際関係にあった相手の性的な写真や動画をインターネットで公開すること(リベンジポルノ)を禁止する法律です。
正式名は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。

レピュテーションリスク(れぴゅてーしょんりすく)

レピュテーションリスクとは、企業やブランドに対するネガティブな評判が広まるリスクのことをいいます。評判が悪化すると、売上が減少する、新規採用が困難になる、離職者が増えるなどの悪影響が発生することがあります。

ログイン時IPアドレス(ろぐいんじあいぴーあどれす)

投稿時ではなく、サイトへのログイン時のIPアドレスのことです。投稿時のIPアドレスが保存されておらず、発信者情報開示請求を行っても、ログイン時のIPアドレスしか開示されないサイトも多くあります。

ログ保存期間(ろぐほぞんきかん)

ログ保存期間とは、プロバイダやサイト管理者が、通信記録(アクセスログ)を保存する期間のことです。
ログ保存期間については、それぞれのプロバイダやサイトで独自で決められており、その期間が過ぎると自動的に削除されます。

ログ保存の仮処分(ろぐほぞんのかりしょぶん)

ログ保存の仮処分とは、誹謗中傷等の行為を行った投稿者のアクセスログを削除しないように、裁判所からプロバイダやサイト管理者に対して、ログ削除を禁止する命令をしてもらうことです。
ネットで権利侵害を受けた際の発信者情報開示請求の仮処分や訴訟には長期間かかることも珍しくありませんが、その間にアクセスログが削除されてしまうと、開示命令が出ても発信者情報を入手することができなくなります。そのため、アクセスログを削除されないようにする必要があります。

わ行

わいせつ物頒布等の罪(わいせつぶつはんぷとうのつみ)

わいせつ物頒布等の罪とは、わいせつな文書、図画、電子的な媒体などを頒布し、または公然と陳列したときに成立する罪です。
たとえば、ポルノ画像を販売したり、ネット上に投稿したりすると、わいせつ物頒布等の罪に該当する可能性があります。

忘れられる権利(わすれられるけんり)

忘れられる権利とは、インターネット上のプライバシー情報や犯罪情報、誹謗中傷などの情報を削除させることのできる権利です。
インターネット上では、一度情報が投稿されると半永久的に情報が残ってしまい、本人に不利益がずっと及んでしまいます。そのため、一定期間が過ぎたら、本人の申請により削除されるべきれはないかという意見から、忘れられる権利が提唱されています。

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