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埼玉県のネット誹謗中傷の状況について

埼玉県警はサイバー犯罪に関する統計を公表しています。
それによると、令和2年度における埼玉県内のサイバー犯罪の数は8,507件、そのうち名誉毀損・誹謗中傷は325件に上りました。

名誉毀損・誹謗中傷の件数は平成30年に400件を数えた後、若干の減少を見せています。
しかし、名誉毀損や誹謗中傷で検挙された件数は0です。名誉毀損は被害が見えにくいことや、表現の自由との兼ね合いなどがあって、警察が動きづらいという一部情報もあります。

警察に掛け合っても、民事上の和解をするように提案されるに留まるという話もあり、ネットでの名誉毀損や誹謗中傷で警察を頼るのは難しいのが実情です。

また、埼玉県教育委員会は、ネットを介したいじめやトラブルから子供を守る目的で、県立学校を対象にサイトの監視を行っています。

それによると、令和2年度の場合、監視された投稿数は361,003件で、問題があると検知された投稿は715件あったそうです。
そのうち「いじめ・誹謗中傷」にあたるものが22件（3.1%）、個人情報に関する投稿が524件（73.3%）あったという報告が残っています。

上記はあくまで県立学校のみを監視対象としたものであり、私立高校などは含まれていません。教育委員会が検知できない部分も含めると、あくまで氷山の一角と考えるべきです。

子供達がネットいじめなどの被害に遭ったときの窓口として、埼玉県教育委員会は「ネットいじめ・ネットトラブルなどの通報窓口」を設けています。

ただし対象となるのは「県内公立学校（さいたま市立を除く）に通っている生徒」のみで、「個人が特定され、誹謗中傷の書き込みがあるものなど」とされています。
また、この窓口に通報しても相談はできず、所属している学校に「こういった通報がありました」と提供されるに留まります。通報者の情報は学校側にも秘密にされるため、このメールアドレスを通して学校側に個人的な相談をすることもできません。

ネットを通じた誹謗中傷の被害者は学生だけではありません。

例えば、茨城県で起きた殺人事件に関するものです。この事件では埼玉県在住者が逮捕されましたが、その後、同じ地区に住む同姓の男性や建設業者が、「殺人犯の親戚」であるかのような書き込みがネットに投稿されました。
建設業者には脅迫電話・無言電話が相次ぎ、社員の精神的負担になるとともに、業務も圧迫されました。

ネットによる誹謗中傷は精神的な被害だけでなく、物理的・経済的な被害も引き起こします。一刻も早く阻止しなければ、損失が膨れ上がって廃業や倒産に至ることもあるかもしれません。

ネット誹謗中傷を弁護士に依頼するメリット

「警察に被害を訴えても期待したような反応がなく、捜査にも消極的だ」
「学校や行政に相談したが、思うような効果がない」
こういったお悩みは、ネット誹謗中傷の解決に詳しい弁護士にご相談ください。

ご依頼をいただいた場合、問題となる誹謗中傷や事実無根の書き込みを削除する手続を速やかに実行いたします。これによって被害の拡大を防ぐことが可能です。

さらにご依頼に応じて、弁護士が「発信者情報開示請求」というものを行います。これは裁判所に申立てをして、誹謗中傷の書き込みを行った者の住所や氏名を特定するものです。

投稿者はネットの匿名性を盾に誹謗中傷を行っていますが、発信者情報開示請求により相手の身元を明らかにすれば、損害賠償の請求も可能です。
もし和解や話し合いに応じなければ、訴訟を提起することもできます。

ネットを通した誹謗中傷については、法整備の未熟さや警察・行政の意識の低さなどの問題もあり、効果的な対策がないのが現状です。
しかし、弁護士に相談することで、腰の重い行政に頼るよりも早く解決できることがあります。

誹謗中傷にお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

埼玉県の警察署一覧（参考）

ネット誹謗中傷でお困りの方は、警察署に連絡をしたり、実際に警察署へ足を運んだりすることもあるかと思いますので、埼玉県内における警察署の情報を以下にまとめました。ぜひご利用ください。