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ガールズちゃんねるで中傷してきた相手を特定するには

ガールズちゃんねるで中傷してきた相手を特定するには

数ある匿名掲示板の中でも、女性のために専門化している大手サイトが「ガールズちゃんねる」です。
芸能ニュースや恋愛、家事育児などの話題が多く、2ちゃんねるや5ちゃんねる、爆サイなどとは大きく雰囲気が異なっています。

それでも、匿名掲示板であるため誹謗中傷が生じやすい傾向は変わりません。
閲覧者の評価で文字サイズが変わる「+・-ボタン」機能は、ときに嫌な投稿を目立たせ精神的負担を大きくしてしまうこともあります。

ここでは、ガールズちゃんねるで誹謗中傷を受けたときに、発信者情報開示請求で投稿者を特定する方法について説明します。

1.なぜ発信者情報開示請求をするのか

書き込みを削除しても誹謗中傷対策としては不十分なケース、たとえば、内容がとても悪質なケース・頻繁な粘着を受けているケース・炎上が生じているケースでは、投稿者に損害賠償や再発防止を求めることで、より抜本的な解決を図ることができます。

しかし、相手に損害賠償請求をするには、その相手がどこに住んでいて何という名前なのか、住所と氏名がわかっていなければいけません。
ガールズちゃんねるは匿名掲示板です。サイトの投稿からは個人情報がわかりません。

さらに、ガールズちゃんねるのサイト管理者が把握しているのは投稿に関する電子データだけで、投稿者の住所氏名それ自体は持っていないのです。
そのため、サイト管理者が持つIPアドレスから通信会社に開示請求をして、住所氏名の開示を受ける必要があります。

このように、複数の段階を経て投稿者の住所氏名を開示させることで、損害賠償請求による誹謗中傷対策が可能となるのです。

2.発信者情報開示請求の流れ

改正プロ責法8条により、「発信者情報開示命令」が新設されました。これは開示請求に必要な処理を実質的に一つの手続にまとめあげるもので、被害者の負担軽減や手続の迅速化が期待できます。

ガールズちゃんねるを管理している株式会社ジェイスクエアードに、IPアドレスなどの投稿データを開示するよう求めます。
IPアドレスとはインターネット内部でスマホなどを識別するための符号です。投稿の際に割り振られるインターネット上の住所のようなものであり、投稿者を特定するうえで不可欠となる重要な情報となります。

そして、株式会社ジェイスクエアードはそのIPアドレスを解析して判明した通信会社に対し、住所氏名を開示するよう求めます。

なお、これらの手続きは非訟事件手続により審理されます。
非訟事件は権利があるかどうかの決着はさておき、裁判所が紛争を後見的立場から処理する手続です。

[参考記事] プロバイダ責任制限法改正でネット誹謗中傷犯人を特定しやすくなる!

3.権利を侵害する投稿はと?

発信者情報開示請求では、大まかに言えば
・違法な権利侵害
・正当な理由
が、開示が認められるための条件となります。

開示を求める正当な理由は、「損害賠償請求をしたい」という程度で十分です。
よって、発信者情報開示請求が認められるための条件としては、投稿により違法な権利侵害が発生していると言えるかがポイントです。

(1) プライバシー権侵害

プライバシーとは、他人に正当な理由なく公開されたくない私生活上の情報を指します。
プライバシーをむやみに明らかにする投稿はプライバシー権侵害となります。

プライバシーとなる個人情報としては、住所・氏名・電話番号・通勤先や通学先・生活内容(特に性生活)・裸、性描写・病歴・逮捕や前科前歴などと多岐にわたります。

具体的な事例がプライバシーに当たるかは、
・私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれがある
・一般常識からすれば公開されたくない、公開されれば不安を覚える
・広く世間一般に知られていない
などの要素を満たしているかで判断します。

通勤先や通学先・病歴は、勤務先や学校・病院に知られています。しかし、そのような情報が世間一般に知られているわけではありません。
すでに公開されている情報でも、公開範囲が限定的であればプライバシーに当たる可能性は十分あります。

また、女性の場合、風俗の身バレ・元カレが性的画像を投稿した(リベンジポルノ)・なりすましによる嘘の性生活公開など、性的プライバシー侵害には迅速な対応が重要となるでしょう。

なお、プライバシー侵害は本当のことでなくても成立します。
犯罪事実など公開による公共の利益が大きい場合は違法性が認められない可能性もありますが、公共性が少ない個人情報、特に公開することに公益性がまるでない下劣な投稿では問題とならないでしょう。

(2) 名誉毀損

よく聞く「名誉毀損」とは、名誉権侵害を意味します。
名誉権は社会的評価、つまり他人からの評判を守る権利ですので、他人からの評価を下げるような投稿が名誉棄損に当たります。

・不倫している
・風俗で働いている
・「犯罪者だ」というデマ
このような具体的事実を指摘する投稿が名誉毀損に該当しやすくなります。

ただし、名誉毀損では
・話題の公共性
・主な目的が公共の利益を図ることにある
・本当にあったことを指摘している
を満たしていれば、発信者情報開示請求や損害賠償請求などの法的措置が取れなくなることに注意が必要です。

この「違法性阻却事由」制度があるため、内容が本当である、あるいはウソだと証明しづらいときは投稿者の特定が難しくなってしまいます。

もっとも、違法性阻却事由は上記3つの条件全てを満たすことが必要です。
本当に風俗で働いている、不倫をしているとしても、公共性がないとして名誉毀損が認められる可能性はあります。

このような性的事実については、本当のことかどうかを問題としないプライバシー権侵害を理由に開示請求することも考えられるでしょう。

(3) 名誉感情侵害

名誉感情は、感情的なプライド・自尊心を守る法的利益です。
発信者情報開示請求や損害賠償請求は、名誉感情侵害を理由とできることもあります。

名誉毀損は客観的な社会的評価の低下が必要です。
「ブス」「デブ」「バカ」など、客観的事実や他人目線との結びつきが薄れ、ただひたすらに嫌悪感を催すだけの罵詈雑言は、実は名誉毀損にはなりにくいのです。

また、プライバシー権侵害もそうですが、名誉毀損など人格権侵害では投稿が誰のことを指しているのかがわかる可能性、「同定可能性」が求められます。
文脈や社会的定着度を考慮して緩やかに認められる傾向があるものの、SNSアカウントなどでは認められない可能性もあります。

名誉感情侵害は「主観的な感情を傷つけているか」を問題とします。
そのため、現実の自分への評判が落ちたと言い切れないケースであっても、名誉感情侵害だとして法的措置を取る余地があるのです。

もっとも、心が傷ついたからと簡単に訴えられては困ります。「社会通念上許される限度を超える侮辱行為」、つまり極端に悪質で明らかな名誉感情侵害でなければ、違法性は認められません。
放送禁止用語レベルの罵倒、延々と続く粘着行為など、内容や方法など様々な事情を総合的に考慮して、悪質性を判断します。

4.発信者情報開示請求の注意点

発信者情報開示請求には失敗リスクが付きまといます。
弁護士費用を無駄にしないためにも、できる限り早い行動と対象とする投稿の冷静な見極めを心がけてください。

(1) 投稿から1か月以内に相談を

早ければ投稿から3か月もすると、通信会社は通信記録を自動的に消去してしまいます。
物理的にデータ自体がなくなってしまいますので、その後に投稿者を特定することは不可能と言い切ってもよいでしょう。

投稿から1か月以内に弁護士に相談するよう、お急ぎください。

(2) 開示できても特定できないケース

発信者情報開示請求自体が成功しても、開示された情報が投稿者のものではないこともありえます。

ネット喫茶・公衆Wi-Fi・ラブホテルなど、事業者が契約して不特定多数の人が利用できるようにしている回線から書き込みされたとき、開示されるのはネット喫茶など事業者の名称や住所です。
実際に書き込んだ個人はわかりません。

(3) +ボタンを押した人は特定できない

他の掲示板にあまり見られない、ガールズちゃんねる特有の機能が「+・-ボタン」です。
書き込みへの賛成が+で、反対が-で示され、+が多く押された投稿は大きな文字で表示されます。

問題となる投稿に+評価をした人たちに対しては、発信者情報開示請求など法的措置を取ることは困難です。
名誉毀損につながる行為ですが事実を指摘したとは言えません。名誉感情侵害だとしても、違法性が認められるほど悪質な行為とは認められないでしょう。

開示できる可能性がある、特に悪質な投稿を絞って開示請求をしてください。

5.まとめ

ガールズちゃんねるは国内企業が運営するサイトであり、被害者からの法的請求に比較的よく対応しています。
とはいえ、匿名掲示板である以上誹謗中傷の被害は生じやすく、+・-ボタンにより中傷コメントが目立ちやすい問題もあります。

投稿の削除だけでは不十分だと感じたら、すぐに弁護士に相談しましょう。
発信者情報開示請求には通信記録の保存期間という事実上のタイムリミットがあるため、素早く動かなければなりません。

ガールズちゃんねるでの誹謗中傷にお困りの方は、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。

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