5ちゃんねるで誹謗中傷!弁護士に対応を依頼するメリット・費用
5ちゃんねる(5ch)は、インターネット上の匿名掲示板の中でも自由度が高く、日々あらゆる話題に関する意見などが投稿されています。
そして、その自由度の高さの弊害として、夥しい数の誹謗中傷の投稿も見られます。
5ちゃんねる上で、ご自身や経営する会社・店舗などに関する誹謗中傷の投稿を発見した場合、早急に削除請求に着手しましょう。
ご自身で削除依頼を行ってもなかなか誹謗中傷の投稿が削除されない場合には、弁護士へのご相談をお勧めいたします。
今回は、5ちゃんねるで誹謗中傷の投稿を発見した場合に、弁護士に対応を依頼するメリットや、発生する弁護士費用の目安などを解説します。
1.5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)とは?
「5ちゃんねる(5ch)」とは、世界的に見ても最大級のインターネット匿名掲示板です。もともとは「2ちゃんねる(2ch)」という名称で運営されていましたが、2017年に開設者と運営会社の間の紛争等が原因で「5ちゃんねる」と改称されました。
5ちゃんねるには、誰でも自由にスレッドを立てることができ、あらゆるジャンルにわたるスレッドが無数に存在しています。また、スレッドへの投稿についても、誰でも自由に行うことが可能です。
5ちゃんねるは匿名性が大きな特徴であり、実名では言いづらいような意見・感想・情報などが多数投稿され、独自の文化圏を築いてきました。
しかしその一方で、匿名を隠れ蓑にした誹謗中傷も非常に多く、黎明期から現在に至るまで社会的な批判を集めている側面もあります。
2.5ちゃんねるの削除ガイドラインについて
5ちゃんねるでは、誰でも自由に投稿できるというコンセプトを標榜する一方で、誹謗中傷やプライバシー権侵害などに当たる投稿については、ガイドラインに基づく削除の対象としています。
(1) 削除対象となる投稿内容
5ちゃんねるの削除ガイドラインでは、削除に関するルールをかなり複雑な形で細かく定めています。
削除対象となる主な投稿内容は以下のとおりですが、スレッドのカテゴリや本人の属性などによっては、削除対象外となるケースもあるので注意が必要です。
- 個人名、住所、所属(誹謗中傷目的、攻撃目的の場合等)
- 電話番号
- メールアドレス(悪意が明らかな場合、攻撃目的の場合等)
- 誹謗中傷(個人を特定して行われるもの等)
- 私生活情報(対象者に不利益が発生する可能性がある場合) など
なお、法人・団体に関する投稿については、誹謗中傷等に当たる場合であっても、原則として放置する方針が明記されています。
したがって、もし法人・団体に対する誹謗中傷の投稿の削除を求めたい場合には、後述する裁判所への仮処分申立て等の対応が必要です。
削除対象となる投稿内容の詳細については、削除ガイドラインの本文をご確認ください。
参考:削除ガイドライン|5ちゃんねる
【削除人(削除屋)がボランティアで削除を行っている】
5ちゃんねるにおける投稿の削除は、運営会社主導で行っているわけではなく、大部分を「削除人(削除屋)」と呼ばれるボランティアが行っています。
削除人は多数存在すると思われますが、仕事ではないので削除対応を行う義務はなく、いつ削除依頼を確認してもらえるかもわかりません。そのため、長期間にわたって削除依頼が見過ごされてしまう可能性もある点に注意が必要です。
(2) 削除依頼は所定のフォームから送信
5ちゃんねる上の投稿の削除依頼は、原則として所定のフォームから送信する方法によって行います。
5ちゃんねるの削除要請フォームには以下の2種類があります。なお、フォームから送信された削除依頼については、各板のスレッドで公開されることになっています。
①削除要請板
以下の内容を含む投稿についての削除依頼は、削除要請板のフォームを通じて送信します。
- 個人名、住所、所属
- 電話番号
- メールアドレス
- 誹謗中傷
- 私生活情報
- 差別、蔑視
- 荒らし依頼
- 企業への誹謗中傷など
参考:削除要請板|5ちゃんねる
②削除整理板
削除要請板の対象事項を含まない投稿についての削除依頼は、削除整理板のフォームを通じて送信します。
参考:削除整理板|5ちゃんねる
(3) 一部の重要削除対象はメールで削除依頼が可能
以下のいずれかに該当する場合は重要削除対象とされており、メールによって削除要請を行うことができます。
①以下のいずれかが含まれる投稿の削除要請
- 個人名、住所、所属
- 電話番号
- メールアドレス
- 誹謗中傷
- 私生活情報
- 差別、蔑視
②以下のいずれかの者による削除要請
- 政治家、芸能人、プロ活動をしている人物、有罪判決の出た犯罪者
- 板の趣旨に関係する職業で責任問題の発生する人物
- 著作物、創作物、活動を販売または提供して対価を得ている人物
- 外部に何らかの被害を与えた事象の当事者
- 法人、団体、公的機関
- 警察に相談中の方(通報前を除く)
- 削除を命ずる裁判所の仮処分命令または判決を得た当事者
参考:削除要請(入口)|5ちゃんねる
[参考記事] 5ちゃんねるの誹謗中傷|書き込み削除・特定・開示請求方法3.5ちゃんねるの投稿削除を弁護士に依頼するメリット
5ちゃんねるの投稿に関する削除依頼は、誹謗中傷等の被害を受けたご本人が行うことも可能です。
しかし、弁護士に依頼する方が、よりスムーズに投稿の削除を実現できる可能性が高まります。
5ちゃんねるの投稿削除を弁護士に依頼する主なメリットは、以下のとおりです。
(1) 削除ガイドラインを踏まえて説得的な削除申請ができる
5ちゃんねるの投稿を削除人が削除するかどうかは、削除ガイドラインに基づく削除要件を満たしているかどうかによって判断されています。
したがって、削除ガイドラインの内容を十分に踏まえたうえで、投稿を削除すべき理由を説得的に記載することが、削除申請を認められやすくするための大きなポイントです。
弁護士ご相談いただければ、ヒアリングを通じて具体的な事情を丁寧にお伺いし、削除ガイドラインの要件に沿った形で削除理由を構成・主張いたします。
(2) 5ちゃんねる側との信頼関係で早期削除できる可能性
5ちゃんねるの削除フローに次のような一文があります。
「5ちゃんねるが、過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。」
出典:5ちゃんねる削除体制|5ちゃんねる
つまり、誹謗中傷やプライバシー権侵害の被害を受けたご本人が行うよりも、過去に5ちゃんねるの投稿削除に関する法律事務を取り扱ったことのある弁護士が行う方が、削除申請が認められやすいということです。
したがって、早期に5ちゃんねるの投稿を削除してもらいたい場合には、弁護士に削除申請を依頼することをお勧めいたします。
(3) 裁判所への仮処分申立てもスムーズに対応できる
削除申請が通らない場合、裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てることになります。仮処分申立ての手続は裁判手続の中でも特に専門知識を要求される手続であり、法的な観点を踏まえた準備と対応が必要不可欠です。
弁護士に仮処分申立ての代理を依頼すれば、迅速かつスムーズに仮処分申立てを行うことできます。
4.5ちゃんねるの投稿削除に関する弁護士費用
5ちゃんねるの投稿削除に関する対応を弁護士に依頼する場合の費用は、事件に関する事情によって幅があります。
また、個々の弁護士が定める費用体系も異なるため、どのくらいの金額がかかるかは一概に言えません。
誹謗中傷の投稿削除対応を弁護士にご依頼いただく場合、着手金として5万円~25万円程度、報酬金として5万円~15万円程度かかるのが標準的です(任意交渉か、法的手続をとるかにより大きく異なります)。
また、投稿者の特定や損害賠償請求についてもご依頼いただく場合、別途弁護士費用が必要となります。
具体的な弁護士費用については、法律相談の後で個別に見積もりを行い、弁護士から相談者に対して明確にご説明いたします。
当事務所の弁護士費用につきましては、こちらをご覧ください。
5.まとめ
5ちゃんねるで誹謗中傷やプライバシー権侵害に当たる投稿を発見した場合、風評被害の拡大を防ぐためにも、投稿の削除に向けて早期に対応することが重要です。
弁護士にご依頼いただくことで、スムーズに投稿削除が実現する可能性が高まります。
5ちゃんねる上の誹謗中傷やプライバシー権侵害にお悩みの方は、お早めに弁護士までご相談ください。