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誹謗中傷の重要知識

2ちゃんねるで誹謗中傷された!削除・開示請求について

現在の「2ちゃんねる」は、ひろゆき氏が旧2ちゃんねる(2ch.ch)の運営内部紛争後に新たに作成した匿名掲示板です。まぎらわしいですが、2000年代以降にネット上で大流行した2ちゃんねるとは別のサイトです。

一時期、2つの「2ちゃんねる」が併存していましたが、現在旧2ちゃんねるはその名前を変えて、「5ちゃんねる」となっています。

[参考記事] 5ちゃんねるの誹謗中傷|書き込み削除・特定・開示請求方法

では、この現2ちゃんねるに投稿された誹謗中傷について削除請求や発信者情報開示請求をするには、どのような手続きを行えば良いのでしょうか。本コラムでご説明します。

なお、実際に請求をするにあたっては、弁護士に各サイトの近況をご確認ください。突然サイト側の対応や裁判所の運用が変わってしまうことがあるからです。
また、2022年10月1日から施行された改正プロバイダ責任制限法により、今後各サイトへの適切な対処方法が変わってくる可能性もあります。

[参考記事] プロバイダ責任制限法|改正ポイントをわかりやすく解説

1.2ちゃんねるの運営について

今の「2ちゃんねる(2ch.sc)」における削除・開示体制は、弁護士によりアップロードされた仮処分決定書を確認した運営が、投稿の削除やIPアドレスなどの発信者情報開示を行うというものです。

2ちゃんねるのサイト管理者(とされているもの)は、分裂騒動以前から2ちゃんねる運営者とされていたシンガポール法人 PACKET MONSTER INC. PTE. LTD. (パケットモンスター)です。
パケットモンスターは実体のないペーパーカンパニーであり、実際の運営はボランティアが行っています。しかし、形式的にとはいえ、パケットモンスターは裁判手続の相手方として認められていました。

ところが、2021年にパケットモンスターの法人登記から代表者の名前が消えてしまい、手続上の名義としての意義すら不十分となってしまいました。
代表者が登記されていない法人は、日本では裁判手続の相手方となれないためです。

そのため、現在では特別代理人制度が利用されるようになっています。
「特別代理人」は、本来の代理人(ここではパケットモンスターの代表者)がいないときに、本来の代理人に代わって職務を行う制度です。

削除や開示請求をしたい人が特別代理人を選任するよう裁判所に申し立て、申立てを受けた裁判所が、名簿登録されている弁護士の中から機械的に選任します。
特別代理人は、いわばその手続に限った臨時の代理人なのです。

この運用変更に伴い、予納金負担の発生・双方審尋が必要・供託金の簡易取戻しができるか不明瞭など、代表者が登記に記載されていたころにはなかった負担や問題点が生じるおそれがあります。

ここから、上記のポイントを軸にして、2ちゃんねるへの削除請求や発信者情報開示請求について説明していきます。

2.削除請求

裁判所で仮処分を申立て、発令された仮処分決定の決定書を掲示板にアップロードし、運営ボランティアに削除を依頼します。

(1)  特別代理人選任の申立て

まず、裁判所に特別代理人選任の申立てをします。
この際に、最低5万円を特別代理人の報酬として裁判所に予納します。

のちほど説明しますが、特別代理人選任の申立て、それに伴う予納金の負担は、供託金を取り戻す際にも必要となるおそれがあります。

(2) 双方審尋

特別代理人が選任されたら、仮処分を申し立て、手続が始まります。
双方審尋は、決定を出すために裁判所がこちらと相手方の意見を確認する手続です。

以前のパケットモンスターを相手とする運用では、双方審尋を省略し「無審尋」による仮処分決定発令が認められていました。シンガポールへ呼び出しを送達するには時間がかかりますし、送達したところでパケットモンスターが代理人を出席させることもなかったからです。

ところが、現在は特別代理人を出席させて双方審尋が行われるようになっています。
以前よりも数週間ほど削除にかかる期間が長くなる可能性があります。

(3) 送達遅らせ上申と簡易取戻し

特別代理人による運用のもう一つの問題点は、仮処分手続の最終段階にもあります。
それは、「送達遅らせ上申」と「簡易取戻し」を特別代理人が認めるかどうかというものです。

送達遅らせ上申は、裁判所に対して、仮処分の決定書送付を遅らせるよう上申するものです。
以前の運用では、シンガポールへ決定書を送付しては何か月もかかってしまいますから、正式な送達を遅らせてもらい、その間に任意削除を求めていました。

この送達遅らせ上申により、簡易取戻し制度を利用して供託金を簡単に取り戻せるようにもなっていました。

仮処分決定発令のためには法務局に供託金を担保として預ける必要があります。
送達前に申し立てを取り下げれば、相手方をたてた担保取消決定を経ずに供託金を取り戻せる。これが簡易取戻し制度です。

ところが、特別代理人制度においては、送達遅らせ上申を認めるかは特別代理人の個別判断に任せられることになります。

送達が本来のスケジュールどおりに行われると、特別代理人のもとにすぐに決定書が送達されてしまい、簡易取戻しは使えなくなってしまいます。
そうなると、供託金を取り戻す手続のために、あらためて特別代理人の選任と最低5万円の予納金納付が必要になってしまいます。

もちろん、特別代理人が従来の運用のように送達遅らせ上申を認めれば簡易取戻しを利用できますが、必ずとは言い切れませんのでご留意ください。

【仮処分や非訟事件の管轄はどこ?】
東京地方裁判所に対する削除仮処分の申立てが認められています。民事訴訟法4条5項は「主たる業務担当者」の住所を管轄の一つとしているところ、ひろゆき氏の住所が日本国内では東京にあるためです。

3.発信者情報開示請求

発信者情報開示請求でも、まずは仮処分を裁判所に申し立て、決定書を掲示板にアップロードすることで運営ボランティアに投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどを開示請求します(今後は非訟事件手続によるものに変遷するでしょう。非訟事件は、権利があるかどうかの決着はさておき、裁判所が紛争を後見的立場から処理する手続です。仮処分や裁判よりも手続はより簡単なものになり、結論が出るまでの期間も短くなると予想されています)。

(1) 特別代理人制度の影響

双方審尋手続によるタイムロスが手続全体に与える悪影響は、削除請求よりも大きくなります。発信者情報開示請求では、急がなければ投稿者の特定がほぼ不可能になるからです。

2ちゃんねるから開示される情報は、投稿者の住所氏名ではなく、投稿のIPアドレスなど間接的な情報に過ぎません。
住所氏名をつきとめるには、開示された情報から投稿に利用された通信会社を調べ、その通信会社に通信記録との照合を求めることになります。

しかし、この通信記録は短ければ3か月程度で消去されてしまうため、その前に通信会社に通信記録の保存を求めなければなりません。

双方審尋手続が省略できなくなったことで、以前よりも数週間ほど猶予がなくなると予想されます。
2ちゃんねるの投稿について発信者情報開示請求をすると決めたら、すぐに行動することが重要です。

(2) 5ちゃんねるの投稿表示の注意点

2ちゃんねるに表示されている投稿のうち、IDの末尾が「.net」となっているものは、2ちゃんねるに対して発信者情報開示請求をしてもなにも開示されません。
この投稿は、5ちゃんねるへの投稿がコピー表示されているものだからです。

オリジナルの投稿は5ちゃんねるへとされていますから、投稿に関する通信記録を保有しているのも5ちゃんねるであり、2ちゃんねるではありません。
その投稿者を特定するには、5ちゃんねるの方に発信者情報を開示するよう請求しましょう。

4.まとめ

2ちゃんねるへの削除請求・開示請求は、運営者の不透明性もあり、その運用は未だに流動的です。
とはいえ、運営側は仮処分決定がなければなかなか任意請求にも応じてくれません。特に発信者情報開示請求は時間との戦いです。

投稿の削除をご検討の方は、発信者情報開示請求も含めて、弁護士に一度ご相談ください。

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