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誹謗中傷の重要知識

Yahoo!知恵袋への削除・発信者情報開示請求

Yahoo!知恵袋は、大手質問サイトの一つです。
多種多様な質問と回答が日夜飛び交う中、誹謗中傷に悪用されてしまうこともあります。

検索サービスで上位表示されやすく悪影響が拡大しやすいにもかかわらず、Yahoo!は「回答内容を信じるかどうかは読者に任せるべき」として、対応には消極的です。
そのため、質問や回答を削除したり書き込んだ者を特定したりするには、裁判所を利用する必要性が高くなっています。

ここではYahoo!知恵袋への削除請求と発信者情報開示請求について解説します。

なお、実際に請求をするにあたっては、弁護士に各サイトの近況をご確認ください。突然サイト側の対応や裁判所の運用が変わってしまうことがあるからです。
また、2022年10月1日から施行された改正プロバイダ責任制限法により、今後各サイトへの適切な対処方法が変わってくる可能性もあります。

[参考記事] プロバイダ責任制限法|改正ポイントをわかりやすく解説

1.Yahoo!知恵袋の問題点

インターネットには、不特定多数の人々が互いに質問と回答をしあう質問サイトが多数存在しています。
その中でも最大手であり代表格が「Yahoo!知恵袋」です。

匿名掲示板をQ&A形式に特化したようなスタイルをとっており、日常家事から法律など専門分野まで、幅広いジャンルについて無数の質問と回答が繰り広げられていますが、以下のような問題点もあって、誹謗中傷の被害が広がっています。

(1) 匿名性

質問や回答をするにはYahoo!のIDを取得しログインすることが必要ですが、実名でなくとも登録は可能ですし、投稿で表示されるIDは最初の3文字以降は表記されません。
少なくともYahoo!知恵袋のサイト上では、匿名で投稿することができます。

圧倒的な投稿数・閲覧数と相まって、匿名性が発言の過激化を招いています。

(2) 検索に引っ掛かりやすい

Googleなどの検索サービスは、閲覧回数が多く関連リンクとのネットワークが強い大手サイトを優先的に表示するようになっています。

Yahoo!知恵袋は手軽に質問や回答ができるだけでなく、ちょっとした調べ物の取っ掛かりや雑学を読んでの暇つぶしなどにも閲覧され、似たような話題の質問・回答へのリンクが大量に並んでいます。

その投稿は検索結果の上位に表示されやすく、誹謗中傷にあたるような質問・回答であっても、検索サービスを通じて拡大してしまうリスクを持っています。

(3) 誹謗中傷問題に対するYahoo!の姿勢

Yahoo!は一般的なサイトと比べると、削除・開示に消極的な傾向があります。

Yahoo!知恵袋の「利用のルール」では、
「知恵袋は⽇常のあらゆる疑問をほかの利用者に向けて質問したり、それらの質問に回答することで、疑問を解決していく『知恵』共有サービスです。」
というサービスの運営姿勢が説明されるとともに、以下の禁止事項が具体例を挙げて記載されています。

  • 禁止事項1:過度な批判、誹謗(ひぼう)中傷など他⼈を攻撃したり、傷つける内容の投稿や、他⼈を不快にさせる内容の投稿
  • 禁止事項2:わいせつや暴⼒的、過激な描写等を含む不愉快な内容の投稿
  • 禁止事項3:法令違反⾏為や犯罪⾏為の誘発や予告を内容とする投稿
  • 禁止事項4:商業⽬的や広告⽬的で利⽤すること
  • 禁止事項5:個⼈を特定できる情報の投稿
  • 禁止事項6:著作権など第三者の知的財産権を侵害すること
  • 禁止事項7:サービス運営を妨害する⾏為
  • 禁止事項8:質問、回答の投稿になっていないものや、なっていたとしても⽂意をなさない投稿
  • 禁止事項9:なりすまし⾏為や⾃作⾃演
  • 禁止事項10:勧誘や呼びかけ投稿の行為
  • 禁止事項11:明らかな偽情報に関する投稿
  • 禁止事項12:その他Yahoo! JAPANが不適切だと判断するもの

そして、禁止事項に該当する投稿は削除するとしています。

しかし、実際に削除されるか、また発信者情報開示請求を受け付けるかは裁判所を用いない限りYahoo!の判断次第です。
Yahoo!としては、「Yahoo!知恵袋は『利用者たちが作り上げる知恵の共有サービス』なのだから、回答内容が正しいかどうかは読者の判断にゆだねられるのが基本だ、だからできる限り運営者は削除などをしない」というスタンスのようです。

最近は批判もあり明らかに問題のある投稿は削除しているようですが、裁判手続で請求を行ってもしぶとく抵抗してくることがあります。

2.削除請求

上記の禁止事項に該当するものは削除対象となっています。
ネットからの削除依頼は被害者ご自身で手軽に行えるでしょうが、Yahoo!のスタンスからすると仮処分も視野に入れておきましょう。

(1) 違反報告フォーム

Yahoo!アカウントにログインし、質問や回答の右下にあるマークをクリックすると「違反報告」フォームへの記入画面が現れます。
ここからYahoo!に誹謗中傷に当たる投稿だと報告することができます。

もっとも、そのフォームの性質は、「削除依頼」というよりただの「報告」であり、Yahoo!から返答が来ることもないようです。

(2) 送信防止措置依頼書による削除依頼

送信防止措置依頼書は、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が作成した削除請求用の書式です。
この書式をYahoo!に郵送して削除依頼すると、少なくとも回答は戻ってくるようです。

違反報告フォームよりは整った形式とはいえ、あくまでも任意請求であり、Yahoo!に削除を義務付けるものではありませんから、これでも削除されない可能性はあります。

(3) 仮処分による削除請求

Yahoo!知恵袋の投稿を確実に削除するのであれば、簡易迅速な裁判手続である仮処分が有用です。
ただし、決定が確定するまで徹底抗戦され、削除までの時間が通常よりも長引くリスクに注意しましょう。最長4ヶ月ほど削除が先延ばしになる可能性もあります。

もっとも、さすがのYahoo!も裁判所の決定が確定すれば従います。そのまま放置すれば誹謗中傷の悪影響は広がり続けてしまいますから、できる限り早くの対処を心がけましょう。

(4) 削除される範囲

質問と回答のうち、どれに違法な記載があるかで削除できる範囲が変わります。

  • 質問:質問とすべての回答
  • ベストアンサー以外の回答:その回答のみ
  • ベストアンサーとなった回答:質問とすべての回答

裁判所は基本的に必要最低限の削除しか認めないのですが、Yahoo!のサイト管理上の都合によってか、質問やベストアンサーとなった回答を削除すると、質問と回答全体が削除されるようです。

3.発信者情報開示請求

「削除を繰り返しても再投稿される」「書き込み内容があまりにもひどいため慰謝料をとりたい」「炎上しているため削除が逆効果」といったときには、投稿者を特定して損害賠償や再発防止を求めることを検討しましょう。

Yahoo!がすみやかに情報開示に応じることは期待できませんから、最初から裁判所を利用したほうが良いでしょう。

Yahoo!からYahoo!知恵袋に投稿された際のIPアドレスや投稿日時などの開示を受け、そのIPアドレスを分析すると、投稿に用いられた通信会社が判明します。
その通信会社に対して住所氏名を開示するよう、Yahoo!に調査させます。
IPアドレスとは、スマホやサーバーなどをインターネット上で識別するための番号です。

なお、IPアドレスを用いた開示請求には事実上の時間制限があり、その期限を過ぎると通信会社から開示を受けることはほぼ不可能となってしまいます。
その場合でも、Yahoo!から直接住所氏名の開示を受けられる可能性があります。

通信会社はIPアドレスなどの情報を照合して投稿者の住所氏名を探し出すために、回線へのアクセスログを用います。
ところが、アクセスログは3か月〜1年程度で自動的に消去されてしまいます。物理的に記録がなくなってしまうのですから、もはや誰がどうしようとIPアドレスから投稿者を特定できなくなります。

一方、Yahoo!は完全な匿名サイトとは言い切れません。
投稿者がIDで紐づいているアカウントでオークション(ヤフオク!)を利用していれば、Yahoo!社内に投稿のIPアドレスのみならず投稿者の住所氏名などの個人情報が保管されています。

そこで、通信会社ではなくYahoo!に対して裁判で住所氏名の開示を求められる可能性があります。

4.まとめ

Yahoo!知恵袋は投稿が活発で閲覧者も多く、検索に表示されやすいため、誹謗中傷対策を急ぐ必要があります。

さらにYahoo!のスタンスとして、任意請求への動きは鈍く、仮処分を用いても削除・開示しないよう争ってくることすらあり、そうなれば対処に時間がかかってしまいます。
何らかの対処をするのであれば早めにスタートするに越したことはありません。

Yahoo!知恵袋で名誉棄損やプライバシー侵害に悩まされていましたら、弁護士にご相談ください。

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