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損害賠償の請求

ネット誹謗中傷の慰謝料・損害賠償金が増えるケース

名誉毀損やプライバシー権侵害にあたる投稿をした相手には、慰謝料をはじめとした損害を賠償請求できます。

匿名の投稿者をつきとめるために掛かった弁護士費用なども請求できますが、それを含む損害賠償金の相場は基本的に100万円程度が上限と言えるでしょう。

[参考記事] ネット誹謗中傷における慰謝料・損害賠償金の相場

では、その相場を超える金額の損害賠償金を手に入れられるとしたらどのようなケースなのか、このコラムで見ていきます。

1.投稿内容が悪質

裁判所が慰謝料を決めるうえで最も注目しているのは、やはり投稿内容の悪質性です。

ひとたび違法な書き込みがネットに投稿されれば、世界中から閲覧可能な状態に置かれ、削除されるまで権利侵害が続きます。
場合によっては延々と第三者によるコピーが繰り返されることで、事実上インターネットから投稿を取り除けなくなるおそれもあるでしょう。

裁判所がどのような投稿が大きな精神的損害を引き起こすと考えているのかを知ることは、慰謝料額の見通しをつけるうえで重要な手掛かりとなりますので、以下で解説します。

(1) 性やヌード

自身の裸や性生活は、誰もができる限り知られたくないと思うプライバシー情報です。
プライバシーは「他人に秘密にしたい私生活のことがら」を指し、前科前歴から住所氏名まで様々な情報がその保護の対象となりえますが、性に関するプライバシーは裁判所も重要視しています。

通常、プライバシー侵害の慰謝料相場は10万円~50万円ですが、性情報が関わってくると100万円以上の賠償が判決されることも珍しくありません。

プライバシーは事実そのもののみならず、事実のように受け取られることがらも含んでいます。
他人に成りすましたSNSアカウントで明け透けな性生活を本当のことのように書き込んでいたケースでも、プライバシー侵害となりえるでしょう。

女性が性的な投稿で嫌がらせを受けたケースでは、精神的に大きな打撃を受けたことでPTSDなど精神疾患になってしまうこともあります。
精神疾患は悪質な投稿が原因だと医師の診断書で証明できれば、日常生活や労働能力への悪影響、いわゆる「逸失利益」を賠償請求できる可能性も生じてきます。

(2) 虚偽の犯罪・違法行為

実際には行っていない犯罪や違法行為を、「あいつは○○をした犯罪者だ」「あの会社はXXのような違法行為をして儲けている」といった投稿で拡散したケースでも、裁判所は高額の慰謝料を認める傾向にあります。

名誉毀損は、表現の自由とのバランスを図るために、本当のことやその感想への書き込みについては、まず損害賠償請求が認められません。
違法性阻却事由と言って、社会的評価を下げ名誉を棄損する投稿であっても適法としてしまう制度があるためです。

逆に言えば、ウソの書き込みに対しては名誉毀損が成立しやすくなります。
その中でも、個人を犯罪者と断定する、会社を違法な悪徳事業者のように扱う投稿は、社会のルールである法律に反すると指摘するものですから、特に他人からの社会的評価を低下させます。

ちなみに、企業は個人と違って「心」を持っていませんから、慰謝料は請求できません。
その代わり、財産では評価できない企業イメージに対する損害として「無形損害」を請求できます。

投稿で指摘された違法行為を現実にやっていないと証明できれば、営業活動の信用毀損があったとして、30万円〜100万円ほどの賠償請求が認められやすくなるでしょう。

2.周辺事情により被害が拡大した

下劣な投稿を様々なサイトで繰り返して広い範囲に拡散させ、被害者の現実生活に大きな不利益を生じさせたケースでは、慰謝料額が増える傾向が強くなります。

主な考慮要素を、加害者・投稿・被害者の3つに分類してみていきましょう。

(1) 加害者側の事情

加害者の主観や投稿以外の行動も、投稿の悪質さを介して慰謝料に影響を与えています。

動機や目的

嫌がらせや逆恨みなどならば慰謝料は増えやすくなります。

投稿するまでの経緯

落ち着いた議論が行き過ぎてしまったケースはともかく、前触れもなしに一方的な書き込みに至れば損害は大きくなりやすいといえるでしょう。

(2) 投稿の事情

加害者側の事情とも言えますが、ここでは「投稿による被害の拡大」に着目するために区別しました。
インターネットは、その情報の広まりやすさのために誹謗中傷問題を深刻にしているからです。

投稿の手段や方法

繰り返し執拗な投稿をすることで、誹謗中傷が広まりやすくなります。
他人の顔写真を用いたなりすましアカウントで荒らしをする、ねつ造した性生活を暴露するなど、方法次第では複数の権利を一挙に侵害することにもつながります。

情報が広がった範囲

誹謗中傷が広がれば広がるほど権利侵害は深刻となり、慰謝料も増えやすくなります。
裁判所は、基本的に投稿の手段や方法の悪質性から推測しているようです。

(3) 被害者側の事情

現実に生じる被害は、被害者の事情によっても異なってきます。
そのため、同じような誹謗中傷を受けた方でも、慰謝料には差が生じます。

被害者の地位や職業

会社社長や著名人、医師や公務員など公共性の高い職業についている方は、誹謗中傷による社会的評価の低下が著しくなりやすいため、名誉毀損による慰謝料が増えやすくなります。

被害者の生活に現実に生じた不利益

極端なケースでは、性的なプライバシーでも触れたPTSDの発症など、精神的な不安感にとどまらない現実の不利益を受けてしまうおそれがあります。
退職や退学に追い込まれた、取引先から契約関係を打ち切られたなどの実害が生じれば、それだけ慰謝料は跳ね上がりやすくなるでしょう。

3.相手が示談交渉に応じた

加害者が示談交渉に応じたケースでは、裁判所の慰謝料相場を超える金額で和解できる可能性があります。

ネットトラブルに対して裁判所が認める慰謝料の相場は、原則として最大でも100万円程度で、低いときは10万円になることすらあります。
もっとも、この相場はあくまで裁判所が強制力を持つ判決として慰謝料の金額を決めたときのものです。

相手を特定したあと裁判に訴える前、または裁判を起こした後でも裁判官の勧めに応じて投稿相手との任意の交渉による慰謝料の金額は、条件次第では裁判所の相場以上を狙えます。

(1) 示談交渉のポイント

なぜ任意の交渉にもかかわらず裁判所の判決よりも慰謝料が増えることがありうるのかと言うと、交渉ならば加害者の「弱み」に付け込めるケースがあるからです。

裁判所の判決はインターネットで公表されることもあります。
もちろん、当事者の個人情報は隠されますが、特定できない範囲で投稿内容、経緯や中傷方法などの詳細を誰もが閲覧できる状態になります。

判決が公開されなくても、被害者側が「この誹謗中傷について判決が出ました」とネット上で勝利宣言することもあるでしょう。

このような事態は、自分がネットトラブルを引き起こした事実や誹謗中傷の内容を秘密にしたいと考える加害者にとっては悪夢となります。

そこで、「加害者の名前を公にしないこと」さらに「誹謗中傷があったこと」までも被害者側が秘密にすると約束することで、裁判所の相場を超える高額の慰謝料を合意できる可能性があります。

このように事件を秘密にする和解条項は、「口外禁止条項」と呼ばれています。

(2) 交渉に応じてくる相手とは

では、どのような相手が口外禁止条項と引き換えにでも慰謝料増額を受け入れるほど、ネットトラブルを秘密にしておきたいと強く求めてくるのでしょうか。
想定されるケースとしては以下のようなものが考えられます。

社会的地位がある

他人からの視線は地位が高くなるほど気になります。
誹謗中傷を書き込むなんて…と冷ややかな目線で見られる恐怖は大きくなり、社会的制裁により地位を失うリスクも生じます。

下品すぎる投稿内容や話題

性的な話題についての下劣な悪口を書き込んでいたとは、他人に知られたくないでしょう。

過激で悪質な中傷方法

誹謗中傷を何度も、あるいは長期間にわたって投稿していたことが周囲にばれると、人格への信頼を損ねてしまいかねません

4.まとめ

ネットトラブルについて裁判所が認める慰謝料は、専門家の目から見ても満足いくものとは言えないのが実情です。
それでも、これまでご説明したような事情があれば、慰謝料をできる限り増やすことが望めます。

相手方が示談交渉に応じてくれば、裁判所の相場を超えた金額も現実的になってくるでしょう。

投稿者の社会的地位は手続を始めた時点ではわかりませんが、内容や中傷方法の悪質さは投稿から把握できます。
これらは裁判所が慰謝料を増やす要素でもありますから、判決でもそれなりの金額になるだろうとの見込みを背景に交渉に挑めるでしょう。

このような損害賠償請求の見通しを立てるには専門的な知識が欠かせず、発信者情報請求には弁護士への依頼がほぼ必須となっています。
一方、手続が遅れると、通信データ消去により相手の特定、ひいては損害賠償請求が困難になってしまいます。

ネットトラブルでお困りの方は、できるだけお早めに弁護士にご相談ください。

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