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誹謗中傷の重要知識

なぜネットで誹謗中傷をする?投稿者の心理・特徴

最近のニュースを見ていて、ネット上で誹謗中傷被害に遭う方が増加していると感じる方は多いでしょう。

なぜ、ネット上の誹謗中傷が増えているのでしょうか。誹謗中傷はどのような人が行なっているのでしょうか。
誹謗中傷に対してどのような対策をすべきかと共に解説します。

1.ネット誹謗中傷が増える理由

誹謗中傷」とは、他の人の人格を否定するような発言や、虚偽の内容によって、人や会社、お店の社会的評価を低下させることを言います。

[参考記事] 誹謗中傷と正当な批判の違い|表現の自由で保障される言論の範囲

誹謗中傷は本人に向かって直接行われることもありますが、近年は記事やインターネットを通して行われることが増えています。

誹謗中傷の具体例としては、以下のような内容を挙げることができます。

  • 他人の人格や容姿を罵倒する(ブス、不細工 など)
  • 虚偽の犯罪歴
  • 一般に公開されていないプライバシーに関する事実を暴露する
  • 商品やお店の価値を否定するような発言をする
  • 他人を脅迫する(殺す、殴る、家族に危害を加える など)

有名人だけでなく、ネット上でしか面識がない人、実際に知り合った人を罵倒するケースはよくあります。また、個人だけでなく法人も対象になり得ます。

ネット誹謗中傷が増える理由としては、以下のような事情が考えられるでしょう。

  • 誰もがインターネットを使うこと
  • 匿名性
  • SNSの存在

今は、大人から子どもまで誰もがインターネットを利用する時代です。
特に子どもの場合は善悪の判断も未熟であり、人を傷つけるような発言を安易にしてしまうことがあるでしょう。

また、匿名性も誹謗中傷を増やす原因と言えます。
SNSが普及したことによって、自身の意見を匿名で世界中に発信できるようになりました。意見を共有できるのは良いことですが、SNSは違う意見の人を攻撃しやすい環境にあるといわれています。

顔が見えないからこそ、集団心理が働くことで、違う意見の人を攻撃しやすい状況が作られるのです。

2.ネット誹謗中傷をする人の特徴

では、ネットで誹謗中傷をしてしまう人の特徴を見ていきましょう。

(1) 歪んだ正義感や自分の正当性を主張したい

コロナ禍において、自粛警察と呼ばれる現象が起きました。マスクをつけていない人を罵倒したり、他県のナンバーの車を傷つけたりする行為です。

これらは「協力しない人々は悪だ」という歪んだ正義感による行為です。
ネット上でも多くの誹謗中傷が行われましたが、他人を叩くことで自分の正当性を主張したいという心理が考えられます。

これらの行動を取る人には、人よりも優位に立ちたいという心理が隠れていることがあります。
本人は正しいと思っていることから、ただ注意するだけでやめさせるのは難しいこともあります。

(2) 収入や容姿、学歴などにコンプレックスがある

誹謗中傷を行う人の中には、収入や容姿、学歴・結婚など自身の経歴等にコンプレックスを抱いていることがあります。

自分自身にコンプレックスを持っていると、自分の持っていないものを持っている人に嫉妬心を抱くことがあります。この気持ちが強いと、人に対する嫉妬心が攻撃的になってしまうことがあるのです。

何かに対して劣等感を持っていることが必ずしも現実世界での攻撃性に繋がるとは限りませんが、ネット上の誹謗中傷では、普段は隠れているこのような心理が強く出てしまうことがあります。

(3) ストレス発散の方法を知らない

辛いことや大変なこと、嫌なことに直面した時は、趣味に没頭したり、友人に話したりすることでストレスを発散することが考えられます。
しかし、人によっては日頃からストレスが溜まっているものの、上手に発散する方法が分からない人もいます。

ネット上で誰かを攻撃することで、自身のストレスを発散しているケースもあります。

(4) 相手の反応を楽しむ愉快犯

誹謗中傷をする人の中には、「ただ楽しいから」という理由で人を攻撃する人がいます。人が困っている様子、必死で反論している様子を見て楽しんでおり、罪悪感や共感性を持っていないこともあります。

このケースでは、投稿者も何らかの精神的な病を抱えていることが多いようです。

3.誹謗中傷をする人への対策

誹謗中傷を続ける人には、どのように対応していけば良いのでしょうか?

(1) 無視をする

特に誹謗中傷をする人が愉快犯であったり、コンプレックスを抱いていたりする場合には、被害者が反論すればするほど誹謗中傷をエスカレートさせることもあります。
したがって、反応しないことが誹謗中傷を止める1つの方法になることもあります。

誹謗中傷を無視することで、相手は思っているような反応を得ることができなくなります。反応がないと興味を失って、執着することがなくなるケースもあるのです。

もちろん、無視をすれば全ての問題が解決するわけではありません。一旦ネットに出てしまった事実は残り続ける可能性もありますので、他の対処が必要なこともあります。
無視は、誹謗中傷の被害が限定的である場合の、初期の対処法として理解しておきましょう。

(2) 投稿の削除をする

プライバシーに関する事実や虚偽の事実は、そのまま放置すると、SNSを通して拡散されることがあります。
また、掲示板等に書き込まれた内容は、他の類似する掲示板に転送されることもありますので、放置しておくと被害が広がってしまいます。

そこで、このような被害等を回避するために、投稿の削除を依頼することが効果的です。
掲示板やSNSの運営者に対し、誹謗中傷を報告し任意で削除を実施してもらうのです。

もっとも、任意の請求では必ず削除される保証はありません。また、投稿が削除されると、投稿者の特定が難しくなるケースもあります。
ご自身で削除依頼を実行してみて削除されなかった場合や、投稿者を特定して責任を問いたい場合は、速やかに専門家である弁護士にご相談ください。

[参考記事] ネットで誹謗中傷された場合の削除方法と削除費用

(3) 投稿者を特定して損害賠償請求や刑事告訴をする

問題となる記事・投稿を削除することで、それ以上の拡散を防ぐことや、他人の目につく機会を将来的に減らすことが可能となります。

しかし、すでに発生した損害については、記事や投稿を削除するだけでは回復しません。

損害を回復するためには、発信者情報開示請求によって投稿者の氏名や住所の開示を求めることが必要です。
相手を特定することができれば、お店や会社、個人の損害について損害賠償請求することで損害回復を図れます。

[参考記事] ネットで誹謗中傷した犯人(投稿者)を特定できる?

【誹謗中傷が減らない理由:本人に自覚がない】
インターネットでの誹謗中傷がこれだけ問題になっているのに減らない一番の原因は、誹謗中傷をしている本人に「悪いことだ」という自覚がないからです。自分の意見を言っているだけで誰かを傷つけてはいない、正義感から発言していると考えているのです。
一方で、誹謗中傷に当たるかもしれないと分かりつつも行ってしまう人は「バレても問題にならない」「バレることはない」と思っているのでしょう。匿名の誹謗中傷の犯人を特定するには確かに一定の手続きが必要ですので、「そこまでして見つけようとする人はいない」などと考えている可能性が高いです。

4.誹謗中傷を受けたら一人で悩まず弁護士へご相談を

誹謗中傷を受けた方は一人で悩んでしまいがちです。

しかし、現実の被害が出た場合にはきちんとした対処が必要となります。ネット誹謗中傷に強い弁護士に連絡をすれば、法的措置も含めた対処について相談することができます。

ネット上で広がった虚偽の事実や誹謗中傷、プライバシー侵害にあたる事実は、あっという間に拡散されてしまいます。
拡散されてしまう前に専門家のサポートを得て、迅速な対処を実施していくことが重要です。

お困りの方は、ぜひお早めに当事務所の弁護士にご相談ください。

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